熊谷うちわ祭
熊谷うちわ祭は、当地に鎮座する八坂神社の祭礼です。八坂神社は、文禄年間(1592年~)京都の八坂神社を勧請し、現在の鎌倉町の地にある愛宕神社に合祀されたもので、京都の八坂神社の末社にあたります。
いまでも、各町から総代や祭事係、そして年番町から祭りの一切を取り仕切る大総代が選ばれるのは、もとは各寺社毎に別々に行っていた名残りのためです。その頃の祭事係といえば大変な名誉なことで、役人と同じ権力をもち、ご用番とも言われており、旧家でないと祭事係にはなれなかったそうです。
祭りの日は、参勤交代の大小名もしばしば通行止めに遭い、仕方なく熊谷堤を往来しなくてはならず、「八坂神社のお祭りには、大小名も一歩遠ざかって通った」と、当時の町民は得意げに語り合ったと言われています。
天保時代(1830~)が祭りの中興と言われ、祭り当日は各戸で赤飯を炊いて疫病除けをしました。商店では祭りの期間中に買い物客に赤飯を振舞ったことから、熊谷の「赤飯ふるまい」は祭りの名物と言われました。
うちわ祭りの起源は、この手数のかかる赤飯の代わりに、料亭「泉州」の主人が江戸から買い入れた渋うちわを客に振舞ったところ評判となり、のちに各商店でも赤飯の代わりにうちわを出したため、「買い物は熊谷のうちわ祭の日」と言われるようになりました。事実、3銭の買い物でも5銭のうちわを振舞ったことから、その評判は大変なものでした。
第二次世界大戦中に一時中止となりましたが、終戦翌年の昭和21年から復活し、熊谷うちわ祭は年々盛大になり、旧市街地の8ヶ町は、本石・石原・伊勢町・桜町をあわせて12ヶ町となり、山車・屋台のあの勇壮な熊谷囃子は人々の心を躍らせます。
開催時期
7月20日、21日、22日
開催場所
お祭り広場ほか
交通アクセス
JR高崎線・秩父鉄道熊谷駅正面口(北口)徒歩5分