寄居駅から約15分！長瀞駅に到着しました～。

私は熊谷市民と長瀞町民のハーフなので、母の実家がある長瀞は、赤ちゃんの頃からよく来ていた第2の故郷なんです！

熊谷と長瀞のハーフ（笑）。

さて、長瀞ゆかりのマニアック偉人として、私がピックアップしたのは「藤田信吉」さん！

寄居町でご紹介した「大福御前」の弟さんです。

はい、覚えています！

義理のお兄さんの北条氏邦さんと仲違いして、豊臣軍として鉢形城を攻めることになった人ですよね？

はい、そうです！

その信吉さんは、ここ長瀞町出身なんです。

荒川の対岸に「天神山城」というお城があったのですが、そこで生まれ育ったみたいです！

あんまり聞いたことない武将です。

そうですね。

一般的にはとてもマイナーな武将だと思います。

しかし！幸村のお父さんの真田昌幸と仲が良かったり、徳川家康に仕えたりと、なかなかの経歴の持ち主なんですよ！

さらにあの「関ヶ原の戦い」の大きなキッカケを作った人でもあるんです！

え！ウソ！？

それはスゴいな～。

と、歴史の話をする前に、ちょっと腹ごしらえしましょうか！

さんせ～い！！

長瀞には色々とグルメが揃っていますからね！

長瀞や秩父に「味噌ポテト」という、ジャガイモの天ぷらに甘めの味噌だれをかけた郷土料理があったり、同じく味噌を使った「豚味噌丼」もありますよ！

えー、なにそれ！どっちも美味しそう！

あ、すいません。

勢いで話してしまいましたが、今日は準備してません（笑）。

でもでも、味噌ポテトはこの辺りのスーパーに普通に売ってますし、豚味噌丼はいくつか店舗がありますので、帰りにでもお求めくださいませ！

はーい。

今日は、長瀞駅前の名物店をご紹介します！

ほら、すぐそこです！

何か良い匂いしませんか？

あ、確かに。香ばしい匂い！

お！せんべい焼いてますね！

こちらが長瀞駅名物の「まるぶつ」さんの手焼きせんべいです！

わー！美味しそう！

目の前で焼いてくれるんですね！

せんべいの形をよく見てください！

あ！ハートの形してる！

そうなんです！

これを食べれば恋愛運がアップするとかしないとか。

どっちなんですか！

俺、欲しい（笑）。

色々とお困りのようですね（笑）。

私も同じくです。なので、そのせんべい3枚ください！

わー！おっきい！

いただきます！

やっぱ、焼きたては美味しいですね～！

※撮影が終わり、お店の方と話を始めるれきしクン。おもむろに撮影スタッフの元へ戻って来て一言。

あのー。今初めて知ったんですが、まるぶつさん、うちの親戚でした（爆）。

母方の方のやや遠い親戚らしいです。こちらのお店の女将さんが、私の祖母と親戚兼お友達ですって（笑）。

（爆）

さーて、これから「岩畳」に向かいたいと思うんですが、この「長瀞岩畳通り商店街」をブラブラ歩く間に、信吉さんの続きのお話でもしましょうか！

はーい。

さっき、真田昌幸と仲が良かったって言ってましたけど？

そうなんですよ！

寄居駅で北条氏邦さんと信吉さんが仲が悪くなった話はしたじゃないですか？

はい。氏邦さんが、信吉さんのお兄さんを暗殺して、信吉さんは北条家から離れたんですよね？

ですです！

信吉さんがその後に頼ったのが武田家だったんですが、この時にその仲介をしてくれたのが、大河ドラマ『真田丸』で草刈正雄さんが演じた真田昌幸さんだったんです！

へー！そうなんですね！

当時の武田家のトップは武田勝頼さん。

このお方は武田信玄の息子です。

ただ、武田家も間も無くして滅亡してしまいます。

あ、『真田丸』の最初の方だ！

はい、その通りです！

信吉さんは武田家が滅亡すると、信長の家臣の滝川一益という人に仕えるのですが、すぐに信長が「本能寺の変」で亡くなってしまったため、続いて越後の上杉家に仕えました。

上杉、けんしん？

上杉謙信さんは既にお亡くなりになっていたので、この時は、謙信さんの養子で跡を継いだ上杉景勝さんが上杉家のトップを務めていました。

あ、『真田丸』で、遠藤憲一さんが演じていた人？

あ、そうですそうです！

そして、1590年に「小田原攻め」が始まり、秀吉に従う上杉家の軍勢に加わって故郷に兵を進め、姉夫婦が守る寄居の「鉢形城」を攻めたということなんです！

なるほど！

数奇な運命ですね。

先ほど「信吉さんは関ヶ原の戦いのキッカケとなった」と言いましたが、間も無く「岩畳」に到着しますので、続きは後ほど～。

は～い！

さぁ、到着しましたよ！

こちらが、長瀞の奇跡「岩畳」です！

すごい！キレ～い！

感動しますね！

名前の通り、まるで岩の畳を敷き詰めたようですよね！

この岩畳は約500mも続いていて、今は「国の天然記念物」に指定されています。

一面、岩ですね！

ちなみに、この岩肌は、なんと1億4000万年前のものだと言われています！

1億4000万年！？

そんなに前のものなんですか！？

そうらしいですよ！

地球の歴史を見ることができるため、“地球の窓”と称されています！

地殻変動や荒川による浸食が長い年月の中で繰り返されて、このような唯一無二の景色が生み出されたそうです。

すごい神秘的！

岩の模様にも、波や蛇、虎など色々なデザインがあるので、お気に入りの模様を探してみるのも楽しいですよ！

本当だ！場所によって違う！

ちなみに、虎の毛皮のような模様がある岩は「虎岩」と呼ばれているんですが、この岩はあの宮沢賢治さんのお気に入りだったそうです！

へー！宮沢賢治さんも岩畳を見に来てるんですか！？

宮沢賢治さんは、現在の岩手大学農学部の基になった盛岡高等農林学校の生徒だった20歳の時に、研修のために岩畳を訪れて、虎岩を見て歌を詠んでいるんです。

どんな歌を詠んだんですか？

宮沢賢治さんが読んだ歌は、

「つくづくと、粋な模様の、博多帯、荒川岸の、片岩の色」

です！

※原文「つくづくと  粋なもやうの  博多帯  荒川ぎしの  片岩の色」

どういった意味の歌なんですか？

荒川の岸の岩の色は、福岡名物の博多帯のように綺麗に折り重なっていてつくづくと粋な模様です、というような意味の歌のようですよ！

へー！宮沢賢治さんも、この岩畳に感動したんですね！

そうみたいですね！

ちなみに、岩畳は地質学者の大きな注目を集めてきました。

研究の始まりは明治時代はじめ！研究者として岩畳を初めて発見したのはナウマン博士でした。

ナウマン！？象？

そうなんです！

ドイツから日本に来たナウマン博士が、研究して発表したので、ナウマンゾウと名付けられたそうです。

へ～！

そのナウマン博士をキッカケにして、岩畳は研究対象となって日本の地質学を牽引！

そのため岩畳は「日本地質学発祥の地」と言われていて、その石碑が「埼玉県立自然の博物館」に建てられています。

そうなんですね！

あ、その博物館も長瀞にあるんですか？

はい、そうです！

絶滅した動物の巨大な化石などが展示されていて、とても面白い博物館ですよ！

私は小学生の時に社会科見学で行った気がします（笑）。

そうなんですね！今度、行ってみます！

さてさて、それでは、岩畳で自然のパワーを感じた次は、神社で神聖なパワーを受け取りに行きましょう！

岩畳から「宝登山神社」までの道のりは、ほぼ一直線！

歩いて10分くらいなので、先ほどの藤田信吉さんのお話の続きでもしましょうか！

是非是非！

信吉さんが仕えていたのが上杉家ですが、上杉家は秀吉の命令で福島県の会津にお引っ越しすることになります。

信吉さんもこれに従って、新潟県から福島県に移りました。

信吉さんは、故郷を離れてからは、色々なところに行ってるんですね。

そうですね。

ところが、秀吉が亡くなった2年後の1600年に上杉家にピンチが訪れます。

1600年というと「関ヶ原の戦い」の年だ！

はい、そうです！

この年のはじめ、上杉家は徳川家康さんから謀反を疑われてしまいます。

むほん？

裏切りのことです！

上杉家が裏切って合戦を始めようとしているのではないかという噂が立ったのです。

でもこの噂は、実は上杉家を攻めるための家康グループのでっち上げ！

挑発に乗ったら、まんまと策にハマってしまうことになります。

うわ、なんかヤバそうな雰囲気。

このピンチを救うことができる可能性を持った男がいました。

それが信吉さんです！

この年、信吉さんは、上杉家を代表して、新年の挨拶をしに、大阪の家康さんの元を訪れていたので、会津ではなく、大阪あたりにいました。

そのため、家康さんと交渉することが可能だったのです！

おー！頑張れ信吉さん！

会津には使者を送って、「これは家康の挑発だから、乗っちゃダメ！」と報告したのですが、ここで1つ問題が起きてしまいます。

なんと、家康さんの挑発に乗るどころか、「来るなら来い！相手にしてやる！」と、家康さんを逆に挑発してしまった上杉家の重臣がいました。

その人物というのが、大河ドラマの主人公にもなった妻夫木聡さんが演じた…？

あ！「愛」の兜の人！

直江兼続だ！

はい！そうです！

兼続さんは「信吉は家康に買収されて内通している」として、信吉の意見を却下！

「直江状」と呼ばれる手紙を書いて家康の挑発に乗ると共に、信吉さんの家臣や一族を抹殺しようと計画しました。

え！ひどい！

全然、愛がないじゃん（笑）。

まぁ、そうですね（笑）。

そのため、信吉さんをはじめとする藤田家関係の人は会津の上杉家から脱出して、江戸に逃れます。

そして、徳川家康に仕えることになったのです！

マジでスゴい人生ですね！

その後、家康さんが大軍を率いて関東に来て会津を攻めようとした時に、石田三成が関西で挙兵します！

家康さんは兵をリターンさせて、両者は激突！

ついに「関ヶ原の戦い」が勃発したということです！

なので、ちょっと大げさではありますが、信吉さんが「関ヶ原の戦い」のキッカケの1つを作ったというわけなんです！

なるほど！

おもしろ～い！

さーて、信吉さんのお話がひと段落したところで、信吉さんも参拝しに来たかもしれない、長瀞のパワースポット「宝登山神社」に到着しましたよ！

なんか、パワー感じる！

え、もう（笑）？

だって、パワースポットなんですよね！？

まぁ、そう言われていますけど（笑）。

かなり由緒正しい神社なんですか？

はい、そうなんです！

宝登山神社は、秩父駅の「秩父神社」と三峰口駅の「三峯神社」と共に、「秩父三社」の1つに数えられる格式高い神社で、創建は今から1900年以上前の西暦110年だと言われています！

え、古い！

創建したのは「日本武尊」だそうです！

日本武尊が東に兵を進めている時に、この山に立ち寄ったそうです。

この山の美しさに惹かれて、山頂を目指した途中に、あるトラブルが起きます。

何ですか？

なんと山火事が発生してしまい、日本武尊はピンチに陥ってしまいました。しかし、その時、大きな犬達が現れて、山火事を消して、日本武尊を山頂まで案内したそうです。

ワンちゃん、すごい！

突然現れた白犬・黒犬に命を救われた日本武尊は、犬達に導かれて山頂へたどり着きました。すると、犬達は忽然と姿を消していました。この不思議に日本武尊は、山の神様が犬を遣わせて守ってくれたお陰で自分の命が救われたのだと悟り、感謝して神様をお祀りしました。

これが宝登山神社の始まりと言われています。

そうなんですね！

どなたが祀られているんですか？

初代の天皇「神武天皇」である「神日本磐余彦尊（かむやまといわれひこのみこと）」として祀られている他、山の神様である「大山祇神（おおやまつみ）」と、火の神様である「火産霊神（ほむすびのかみ）」が祀られています。

ちなみに、日本武尊は山頂で山の名前を定めました。

その名が「火を止める山」と書いて「火止山（ほどさん）」！

そして、後に現在の「宝を登る山」になったと言います。

へー！火を止める山だったんだ！

じゃあ、宝登山神社のご利益は、もしかして防火とかですか？

その通りです！

宝登山神社は“防火”や“盗難除け”などにご利益があったり、「宝の山に登る」という名前から“商売繁盛”のご利益があるとも言われています。

あやかりた～い！

うん、同じく！

ちなみに、高校の同級生が宝登山神社の権禰宜をやっているので、ちょっと挨拶に行ってきます（笑）。

はい、行ってらっしゃい（笑）。