さぁ、着きましたよ！

こちらが秩父鉄道の終点「三峰口駅」です！

初めて来たんですけど、のどかでとても雰囲気のある駅ですね～。

そうですね！

ちなみに、土日を中心に運行しているSLは、熊谷駅から三峰口駅まで運行しています。

ここまで走っているんですね！

はい！

そして、三峰口駅には、SLの向きを変えるための転車台というグルっと土台が回る機械があるので、とても珍しいSLのターンを間近で見ることが出来ますよ！

そういうのワクワクしますよね！

さてさて、それではバスに揺られて、関東最強のパワースポットと言われる「三峯神社」に行きましょう～！

わーい！楽しみ～！

それでは“秩父三社”の1つである三峯神社に着くまでに、三峰口駅ゆかりの偉人と神社の歴史について、ちょこっとお話しましょう～。

はい、よろしくお願いします！

三峯神社が創建されたと言われるのは、今から1900年以上前のことです。

創建したと伝わる偉人が「日本武尊（やまとたけるのみこと）」です！

あれ？長瀞の「宝登山神社」も日本武尊でしたよね？

はい、その通りです！

日本武尊は、日本を平和にするために東国に兵を進めたと言います。

その時に秩父や長瀞に立ち寄っていたみたいですね。

じゃあ、三峯神社も防火の神様なんですか？

いえ、三峯神社は、宝登山神社とは別の神様を祀っています！

祀られているのは伊弉諾尊（いざなぎのみこと）と伊弉冉尊（いざなみのみこと）の2人の神様です！

“いざなぎ”と“いざなみ”って神話の？

国を生んだ神様ですよね？

そうです！

日本国を生んだ神様で、風や木や山など多くの神様も生み出したと言われています。

その2人の神様が、何で祀られているんですか？

日本武尊が三峰山からの景色にとても感動したそうです。

その景色が神話に伝わる伊弉諾尊と伊弉冉尊が国を生んだ場面にリンクしたため、お二人を偲んでお祀りしたといいます。

現地でその景色を見ることが出来ますのでお楽しみに！

え！楽しみ～！

そういえば、日本武尊が三峰山に登った時には、ある動物が道案内をしてくれたそうですよ。

何だと思いますか？

何だろう？タヌキ？

んー、違いますけど、タヌキの道案内って、なんかホッコリしますね。

ヒントは「もののけ姫」！

あ！山犬！？

はい、正解です！

山犬、いわゆる狼のことですね！

日本武尊は狼に道案内されて、三峰山を登ったそうですよ。

そのため、三峯神社の神の使いとして崇められていて、狛犬ではなっく、狛狼がありますので、そちらもお見逃しなく！

見逃すかもしれないので、言ってください！

了解です（笑）。

ちなみに、狼は昔から、邪気を払う不思議な力を持っている動物と考えられています。

あ、そうなんですね！

三峯神社では狼を、親しみを込めて、一族や家臣などを意味する「御眷属様（ごけんぞくさま）」と呼んでいるのですが、狼の力を借りることができる「御眷属拝借」というものがあります。

御眷属、拝借？

はい。祈祷によって狼を収めた御神札を1年間、借りることができるんです。

これを持っていれば、邪気を祓ってくれて、防火や盗難除け、病気除けなど、あらゆる災いを除いてくれると信じられているんです。

えー！欲しい！

これが今、とても人気なんです！

「御眷属拝借」と言えば、お札をいただくことが出来ますよ。

こちらが三ツ鳥居です！

3つの鳥居がくっついた全国でも珍しい形式です。

どういった経緯でどのような理由で造られたのかは謎らしいですよ。

へー、なんか不思議な形ですね。

さて、その脇に注目です！

あ！いた！狼だ！

はい！狛犬ならぬ、狛狼です！

結構、筋肉質なんですね（笑）！

そうですね。狼ですから（笑）。

参道を歩くと、なんだか身が引き締まるような感じがしますね。

空気がキレイな気がする！

鳥居をくぐってから、雰囲気が変わりましたね。

そうですね！

この神域は、かつて関東の武士たちにも愛されたそうで、武士たちからも多くの信仰を集めたそうですよ。

え、じゃあ、氏邦さんも！？

んーーー、史料に残っていないので何とも言えませんが、北条氏邦さんをはじめ、今回の旅に登場してきた、熊谷直実さん、藤田信吉さん、秩父氏という、秩父鉄道沿線ゆかりの武士たちも三峯神社を信仰していたかもしれませんね！

なんだかロマンがありますね！

ですね！

ちなみに今回は寄れませんでしたが、「永田駅」のゆかりの偉人に「畠山重忠」さんという武士がいます。この方は、三峯神社を信仰していたそうですよ！

重忠さんは、どの時代の人ですか？

直実さんと同時代の人です！

つまり、平安時代末期から鎌倉時代初期の人ですね！

あの「秩父氏」の一族の出身です！

あ、出た！秩父氏！

畠山重忠は、なんか聞いたことあります。

源平合戦で活躍した、なかなか強い武将だったんですよね！

はい、そうです！

直実さんが平敦盛さんを討ち取った「一ノ谷の戦い」の時、馬に乗って崖を駆け下りる奇襲戦を掛けることになったのですが、仲間たちが駆け下りていく中、重忠さんの馬だけは怖気づいて下りられなかったそうです。困った重忠さんは、そこでどうしたと思いますか？

馬を置いて、自分で駆け下りた！

と、思うじゃないですか。

猛将の重忠さんは違いました！なんと馬を担いで崖を下りたそうです（笑）！

えー！ウソー！！！

だいぶ誇張されているとは思うんですが、そのような逸話が残されるような、たくましい武士だったみたいですよ！

永田駅の近くの重忠さんの屋敷跡と伝わる場所に整備された「畠山重忠史跡公園」には、その逸話をモチーフにした銅像が建てられていますよ！

へー！今度見に行こっと！

さてさて、間もなく遥拝殿に到着しますよ！

わー！キレーイ！！！

これはすごい景色ですね！！！

どうですか！

日本武尊が見た景色は、ここかどうかは不明ですが、神々の世界から下界を眺めているような、まさに絶景ですよね！

そうですね！

これは神々を祀りたくなるのも納得です！

ここは単なる展望台ではなくて、右手の妙法ヶ岳という山にある三峯神社の奥宮を参拝するための場所なんですよ。

へー！あの山に奥宮があるんですね！

しっかり拝んどこーっと！

さーて、続いてはこちらこちら！

わ！でっかい銅像！

これは日本武尊ですか？

はい！その通りです！

背丈は5.2mで、土台も入れると15mにもなるそうです。

参拝客を見守るように建てられています。

じゃあ、一緒にポーズを決めておきましょうか！

1900年以上の歴史がある三峯神社ですが、西暦1400年前後には一度、荒廃しています。

時の権力者である将軍の足利氏に逆らった新田氏を三峰山で匿ってしまったために、神社の領地を没収されてしまったのが原因でした。

室町時代の中頃あたりですね？

はい、そうです！

その後、1500年代はじめに、山で修業をする修験者の月観道満（げっかんどうまん）さんという方が、三峯神社の荒廃を悲しみ、27年という歳月をかけて全国を行脚して復興資金を募って140年ぶりに神社は再建されることになったそうです。

道満さん、すごい方ですね。

現在、境内には樹齢数百年を超える木々が生い茂っていますので、月観道満さんが復興させた時を見ていた大木もこの中にたくさんあるでしょうね！

その後、江戸時代に入ると、なんと、徳川将軍家や紀州徳川家から篤い信仰を受けたそうですよ！

そのため、境内には東照宮も祀られています。

へー！秩父神社と同じように、徳川家は三峯神社も信仰していたんですね！

そうみたいですよ！

あ、ちなみに秩父神社にも東照宮が祀られています。

さっき言えば良かったですね（笑）。

さて、江戸時代中期の1800年に建てられた拝殿に到着しましたよ！

伊弉諾尊（いざなぎのみこと）と伊弉冉尊（いざなみのみこと）を祀っていることから“夫婦仲”が良くなる御利益と、狼が神の使いとなっていることから“厄除け”の御利益があると言われていますよ！

よーし！しっかり拝んでおこっと！

では、参拝し終わったところで、拝殿の目の前にある、2本の大きな木に注目してください！

すごく大きい！

これは何の木ですか？

こちらは杉の木で、樹齢は何と800年以上と言われています！

え！すごいな！

こちらが三峯神社の御神木なんです！

直に触れることが出来ますので、大木のパワーを頂戴しに行きましょう！

いかがでしたか？

何だか温かかった気がします！

しっかり力をもらいました！

それは良かったです！

ちなみに、こちらの杉を奉納したのが「畠山重忠」さんです！

あ、馬を担いだ人？

はい、そうです！

当時、秩父地方を治めていた重忠さんは願文を三峯神社に奉納したところ、願い通りの御利益を得られたらしく、三峯神社に深く感謝して、多くの土地を寄進したそうです！

この杉も、その前後に奉納されたもののようです！

重忠さん、太っ腹ですね！

さすが、秩父氏出身の武士ですね！

さーて、旅の締めくくりは、秩父名物のあのグルメにしましょう～！